河後森城

Basic information
name河後森城
another name
selected続100名城 179
location愛媛県北宇和郡松野町富岡

トップページへ





Photo

▼see more!

▲close!



Data




Map




Record

攻城日時

2019年12月22日

攻城手段

JR宇土線 ダッシュ

攻城記録

 愛媛県の続100名城、河後森城。かごもり、と読む。伊予と土佐の国境の要所として築かれた中世山城跡。丘陵地にあり城郭の広さは20ヘクタール以上。規模としては愛媛県内最大級の城である。本郭を中心に大小の郭が馬蹄形に連なる。中世の城のため、地形を利用し土塁や堀切で防御を固めた城である(一部に石垣もあり)。

▼read more!

 1500年代、松野町は土佐一条氏と長宗我部氏の度重なる戦闘の舞台であった。当時の城主として文献に出てくるのは、土佐一条氏からの養子、河原淵教忠(かわらぶちのりただ)。1584年(天正12年)頃まで、長宗我部氏の配下。翌年の秀吉による四国平定後は、松野町を含む宇和島一帯は、小早川氏、戸田氏、藤堂氏、冨田氏の所領となり、それぞれの時代にそれぞれの城代が置かれていた。藤堂高虎の時代には、河後森城の天主が板島城(宇和島城)の月見櫓として移築されたとも伝わる。1615年(元和元年)、一国一城令により廃城となったが、廃城後も、宇和島伊達氏の付家老、桑折氏が河後森城に居住したと言われている。

▲close!

 さて、愛媛3日目、本日1城目の河後森城。当初は予定にはなかった。しかし地図を改めて見ると宇和島に近く、電車での攻城が可能、また宇和島に再び訪れる可能性がかなり低いこと等から、急遽攻城案が持ち上がる。しかし一方で、時間が限りなく無い。朝食も食べることができないし、帰りの電車に一本でも遅れれば伊予松山城にも影響を及ぼす。行くべきか、やめておくべきか、前日から悶々と自問自答を繰り返す。

▼read more!

 堂々巡りでなかなか結論は出なかったが、結局は寝る直前に攻城を決定。早朝5時45分、宇和島第一ホテルを出発。6時前、宇和島駅着。 6時4分発予土線窪川行きに乗り出発。時間がないので往復分の切符を購入。往復で920円。まだ暗い中、ホームには小さなワンマンバスのような電車が停まっていて、それが予土線だった。鉄道ホビートレインとある。車内は濃いブルー基調で、窓2面ほどの広さに鉄道模型が縦に5台陳列されている。電車好きにはたまらないだろう。6時49分松丸駅着、のはずが51分着。数分でも遅れられると今は非常に困る。かなり焦り、電車のドアが開くと同時に駆け出す。松丸駅を出る。まずまだ暗い。7時前だから薄明るいものだと思っていたが、まだ暗い。宇和島に戻る予定の電車を1本逃すと次は4時間後。予定の電車に乗るために許された時間は50分間のみ。したがって道に迷ったら引き返す他ない。迷えない。グーグルマップを頼りに最短ルートを行く。駅出て直進、右折、左折、、と小走りで歩いていると、地元の小学生だろうか「おはようございます!」と礼儀正しく元気に声をかけてくれた。おはようございますと返す。暗い中小走りの怪しいマスクおじさんにも挨拶を欠かさない。ここは愛媛と高知の県境、松野町。松野町はなんていい教育をしているのか、松野町の子はなんていい子なのか、松野町ありがとう。暗さと遅れで焦りと不安に襲われる中、束の間でも明るい気持ちにしてくれた。それにしてもあの少年はあんなまだ暗い時間にどんな用事だったのか。以降1人も人には出会わず。話は戻し、河後森城への道中を急ぐ。基本ずっと緩い登り坂。急ぎ足で進む、周りは薄暗くまだはっきり見えないのでひたすら前を向き急ぐ。河後森城の看板を発見。ここまではずっと登り坂だったが、風呂ヶ谷駐車場までは下り坂。そこが登山道口のような登城口。まだ薄暗く、ノルウェーのフィヨルドを前にしているように、登城口からの景色は灰色。クマが出そうで怖くなる。明るければなんてことない整備された登城口なのだろうが、不安。時間がなく、とにかく登り始める。広いのは入口だけで、すぐに細い階段や山道となる。さきほどまで小雨がぱらついていたので、足元が多少滑る。が、登山靴だから問題ない。息を切らし駆け足で登ると、ほどなく西十番馬屋曲輪の門が見えた。門をくぐると視界が開け、整地された台地が広がる。西十番曲輪に到着。時間は7時10分過ぎ。セーフ。駅から登城口間が10分、登城口から西十番曲輪間が8分程度か。かなり急げば、という前提の所要時間。とにかくセーフ。帰りの心配がまだ残っているが半分ほっとする。西十番馬屋曲輪に立つと、朝靄がかかる山並みと遠くの集落を見晴らすことができる。この頃には既に薄明るくなっており、束の間この独り占めの景色を堪能。馬屋曲輪内には、馬の模型が二頭いる。おそらく紙製。謎の紙製。ペーパークラフトというのかな。資金難か。馬の横の縁側にスタンプがあり押印。来訪者ノートがあり、自分の前は前日の愛知の方。こんな所にまで名城巡りで訪れる人が、やはりほぼ毎日いるのだ。時間がないが、西十番馬屋曲輪から続く本郭への階段が見えているので、階段を昇り、本郭を少し見学。河後森城は本郭が段状にかつUの字に配置されている広大な面積の城のようだ。もし機会があればじっくり回りたいものだ。慌ててて、西十番曲輪の草むらの窪みで右足を捻る。7時15分帰途につく。ここで電車に間に合わないようでは全てが台無し。山を降り、道路に出て、急ぎ足で進む。駐車場で1組の中年夫婦とすれ違い挨拶。やはり城ファンは早朝でも足を運ぶのだ。周りはもう明るい。安心感に包まれる。松丸駅に7時30分過ぎに到着。セーフ。満足。チャレンジしてよかった。8時28分、宇和島駅着。次の電車は8時40分。間に合った。

▲close!



today's ramen

『和カフェ和温』 (JR松山駅) たまごかけ定食 800円



impressions

 河後森城での弾丸攻城の後遺症で、身も心も落ち着かないままに松山駅に到着。朝から何も食べていないので、なにか体にいいものをゆっくり食べたいと考えていたところ、和カフェ和温を発見。開店前と気づかずに入ってしまったが、用意に少し時間がかかるけどいいですか?と快く迎えてくれた。ありがたい。たまごかけごはんを頂く。
 おいしい。やさしい。体に染みわたる。天然酵母や無農薬野菜が売りのお店で、味噌も卵も野菜も、全てにおいて天然酵母や無農薬にこだわっているそうだ。みそ汁、たまごかけごはん、漬物、どれも体に良さそう。体と心が温まる。とても美味しかった。ごちそうさまでした。



カフェの外観 たまごかけごはん定食
inserted by FC2 system