鬼ノ城

Basic information
name鬼ノ城
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selected100名城 69
location岡山県総社市黒尾

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Data




Map




Record

攻城日時

2020年1月13日

攻城手段

稲荷タクシー

攻城記録

 岡山県の100名城、鬼ノ城。鬼ノ城は、白村江の戦いを教訓に、大和朝廷が国の防衛のために造らせた山城とされている。鬼ノ城は記録になく、地元では鬼が作ったと恐れられていた。

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 時は古墳時代の前、弥生時代の後期。吉備津神社に祀られている吉備津の皇子は、大和政権の天皇の息子、つまり皇子であった、とういう説からブラタモリは始まった。その吉備津皇子が、桃太郎だと。また、吉備国には大和政権も強敵視するくらいの強い勢力の国があった。その居城が鬼ノ城だと。鬼は吉備国の首長のこと。吉備津神社の古文書には、猿、犬、キジも登場するが、実はこれ、実在の人間をパロディ化したものだという。猿は猿忍者、犬は犬飼部の家来、キジに相当する何百里も一瞬で移動するという機動力の家来もいたそうな。ちなみに犬養毅は岡山出身で、この吉備津神社の向かいにある大庄屋の息子だそうな。犬養毅は犬飼部の子孫なのだろう。以上、全てブラタモリ知識。

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 さて、鬼ノ城。吉備津駅から稲荷タクシーで鬼ノ城ビジターセンターへ。13時出発。30分9km。運転手さん曰く、高松最上稲荷(さいじょういなり)のお稲荷さんの参拝で、今日は道が混んでると。最上稲荷は岡山最大の神社で、岡山県人は皆参拝にくるらしい。三が日だけで54万人の参拝があるとのこと。なるほど。

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 旧道があるけど離合できないから、と運転手さんが話しかけてくる。ん?離合?「離合」という言葉、九州だけかと思っていたが、岡山でもよく使うらしい。運転手さんは話し好きなのか気を使っているのか、ここは天井川で桃太郎が射た矢が鬼の目に当たって川が真っ赤になったんですよ、などなど途切れることなく天気や小ネタを聞かせてくれる。ふとタクシーの車窓の遠く小高い山の上に、鬼ノ城が見えた。結構遠い。タクシーは山に登る細い道に入る。離合の度にタクシーは急停車しバックを繰り返す。上のほうが広いで!上のほうが広いで!もっと下がれるやろ!と運転手はぼやく。
 13時30分。鬼ノ城ビジターセンターに到着。待ってますとだけ言い残し、タクシーは移動し去る。ビジターセンターに入る。ビジターセンターは新しくて立派。中でスタンプ押印。説明パネルも多く、西門の立体模型もあり、八王子城のビジターセンターのように整っている。13時40分、ビジターセンターを出発。まずは西門を目指す。上り勾配の道を歩いていくと、まもなく復元された西門が見えてくる。鬼ノ城は大野城や基肄城などと同時期の古代城柵で、中世近世城郭に慣れてしまった目に新鮮に映る。展望スペースの学習広場で写真撮影。西門の全容を写真に収め、改めて西門を目指す。西門は近づいてみると思いのほか大きい。古代工法で復元された土壁がそびえ立つ。この土壁、「版築土塁」と呼ばれる。版築土塁は「真砂土(まさつち)」を突き固めて作られる。真砂土とは、花崗岩が風化してできた土のこと。この鬼ノ城は、火山噴火のマグマでできた花崗岩の山なのだ。
 さて、西門から入る。ここにもブラタモリで見た光景が待っていた。外側の土壁に対して、柵の内側には山側に下り傾斜する角度で石が敷き詰められている。敷き詰められているのは、アプライトという石。確か土壁に水が染み込んで崩れないようにするための、雨水対策だったという記憶。8000万年前にマグマがゆっくり冷えて花崗岩になる。そして、その割れ目に新しいマグマが入り込みさらに割れ目ができる。それが小さめで切り出しやすいアプライト。真砂土で土壁が作れるわ、花崗岩で石塁も作れるわ、果てはアプライトで敷石まで用意できるわ、これら鬼ノ城の奇跡と言われている。全て、ブラタモリ知識。西門裏の地面はあちらこちらで石が盛り上がっており、この山の岩盤が剥き出しになっているところもテレビで見た通り。ひび割れが至る所に入っており、簡単に石のプレートを加工することができるらしい。花崗岩とアプライトと真砂土。この3つが地産地消できるところが、鬼ノ城の奇跡らしい。さて、地面ばかり見ていたが景色にも改めて目をやる。とても素晴らしい。名前はよく知らないがきれいな山並みを拝むことができる。今日は天気がよく、気持ちがいい。
 続いて、南門へ向けて出発。途中第1水門第2水門の石垣?石塁?を見学し、南門へ歩みを進める。道中の道はこれまで同様に岩盤がちょいちょい地表に顔を覗かせる。まるで鬼のツノがニョキニョキ地面からはえているようで、歩きづらい。道横の岩肌は、所々にぼろぼろの砂のような花崗岩が散見される。なるほど、これが真砂土。そして南門着。南門には西門のような復元城柵はないが、石と復元した門柱を見ることができる。ここで時間は14時20分。タクシーは1時間過ぎたらメーター上げさせてもらうと言われているので、急ぎ足で引き返す。14時33分駐車場着。3分おまけしますと運転手はセコいことを口にする。14時33分、タクシーでビジターセンターを出発。14時55分、総社駅着。20分で着いた。タクシーは行きが4700円程度、帰りが3300円程度。電車は15時51分。時間があるので駅前の喫茶店へ。ここ鬼ノ城は、それ目的以外でそう来る機会はないだろう。今回攻城できてよかった。

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today's ramen

『心温』(このん) (JR吉備線総社駅) 鬼ノ城カレー 550円



impressions

 駅前の喫茶店に入る。総社駅前にはどこにも飲食店はなく、ここ一択。「心温」と書いて、このんと読む。店に入る。他に客はいない。メニューに鬼ノ城カレーとある。これは食べるしかない。 鬼ノ城、と名をつけるからには盛り方にひと工夫が必要だろう。やはり出てくるのに時間がかかる。 優に10分、15分弱経過しただろうか。そして出てきたのは、カレー。普通の、カレー。取手のある鉄鍋が器で、お洒落ですらある。好意的に見てあげたが、鬼ノ城ではない。いやお城ですらない。山ですらない。ご飯を山にしているわけでもなく、かけられたカレーの形も、、どうなのだろう、これが城というのなら全てのカレーを城カレーと呼べてしまう。よほど白髭のマスターに聞こうと思った。抱いた期待の分、反動でかし。繰り上げようと考えていた電車時間にも間に合わず。 でもまあ、カレー自体は普通にうまい。あまりに鬼ノ城ではなさすぎておもしろかったし、まあいいだろう、ごちそうさまでした。自家焙煎のコーヒーはとても美味かった。 後日、ググる。衝撃。この心温、なんと総社市観光協会の会長がこっそり運営している店らしい。ということはあの白髭のマスター、観光協会の会長さん。駅前があまりに寂しすぎるから、ということで、鍼灸師の息子さんとオープンしたそうだ。横には確かに鍼灸の店があった。そんな方だったとは、、。そして、鬼ノ城カレーがなぜ鬼ノ城かについても説明があった。吉備国は鉄によって繁栄し、また鬼ノ城の温羅(うら)が吉備国を治めていたから、だから鉄鍋のカレーで鬼ノ城カレーと名を打った、そうだ。なるほど。なるほど。 店でそう書いててくれればいいのに、、。他に客もいないのだから、会長も出てきて説明してくれればいいのに、、。とにかく、謎が解けてすっきり。



お店の外観 鬼ノ城カレー コーヒー
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