松本城

　その後、武田信玄が小笠原長時を追い払い、信濃支配の拠点とする。その後、本能寺の変による動乱の虚に乗じて、1582年(天正10年)に小笠原貞慶が、深志城を奪還。名を松本城と改めた。そして豊臣時代となり、秀吉は家康を関東へ移封させるのだが、この時小笠原氏は徳川家康に従って下総へ移り、代わりに秀吉は、石川数正を松本城に封じた。石川数正、康長親子の代に城と城下町の整備が進む。康長の時代には、天守、乾小天守、渡櫓、御殿、太鼓門、黒門などを作り、近世城郭としての松本城の基礎を固めた。
ちなみに、別名「烏城」だが、歴史的にこう呼ばれた記録はないらしく、松本城側は別名を認めていないとのこと。

　攻城は2回目のため、天守内の展示物はほぼスルー。本日は一日3城攻め計画のうちまだ2城目のため、かなり駆け足で回った。現存天守自体がとても久しぶりで、現存の階段の傾斜のきつさを改めて思った。5,60度くらいはあるのではないか。膝を悪くしたら登れない。いやそもそも戦国の世の建物。登りづらくしてあるわけで、文句は言えない。階段の一部は幅もかなり狭く、上る人下る人が互いに擦りながら離合しなくてはならない。前回は改修中だった月見櫓は今回初めて入ることができた。満足。辰巳附櫓と月見櫓は、泰平の世の寛永年代になってから増築された2棟。花頭窓も見ることができる。石垣も見応えあり。どこの城もそうだが、石垣に大きな石を使うことで自らの力を誇示する時代。松本城でも例外はなく、桝形太鼓門櫓の巨大な石垣に感動。14時、松代城に向けて出発。

　2021年4月、旅行で3回目の松本城へ。9時半、八王子から特急あずさに乗り、11時半過ぎに松本着。まずは地元の名物をということで蕎麦を食べる。予報は曇りだったが、晴れて昼はとても暖かい。駅から松本城まで歩く。
　今年は桜の開花が早く、東京では3月22日頃に満開。そして松本は丁度いま満開。女鳥羽川沿いの桜並木がとてもきれいだった。写真を撮りながらゆっくり歩く。ほどなく松本城に到着。緊急事態宣言も明けたことから人はそこそこいる。が予想よりは少ない。松本城の水堀沿いには桜が咲き誇っている。何とも見事。お城と桜の組み合わせは初めてだ。松本城は特に、黒い下見板張りのため、黒と薄ピンクのコントラストがとてもよい。夜桜会も丁度今夜から催されるらしい。天守閣はさすがに行列をなしていたが、それでも30分程度で入ることができた。階段付近では危ないからという理由なのか、写真は禁止になっていた。それでも現存特有の急な傾斜を撮りたくてチャレンジするが、その度に注意された。天守5階からは、多少霞んではいるが上高地方面、飛騨山脈方面の北アルプスを拝むことができた。地上に降り、大天守と乾小天守、辰巳附櫓と月見櫓を改めて眺める。加藤清正が石川康長にお祝いに訪れた時にその返礼品の馬をつないでいたというしだれ桜と大小天守群のコントラストがとてもとてもよかった。松本城というとこれまでは雨かよくて曇りだったため、貴重な晴れの松本城を見ることができて満足。夜は夜桜会に足を運んだ。ライトアップされた天守と桜がそれはそれは素晴らしかった。