中津城

　天正16年(1588年)に黒田孝高(官兵衛)が着工したが、領内の反乱や朝鮮出兵などで未完成のうちに10年以上が過ぎた。
　関ヶ原の戦い後、黒田氏に代わって細川忠興が入封し、小倉城と並行して中津城の大修築も開始した。中津城の完成後は、家督と小倉城を三男忠利に譲って自らは中津城へ移り、隠居城とした。
　その後、元和の一国一城令でも廃城を免れ、細川氏転封後は、小倉城の支城から中津藩として独立した。九州の外様大藩の監視役として小笠原氏、奥平氏と徳川氏に連なる譜代大名が入封した。
　縄張は梯郭式と連郭式を組み合わせ、北を中津川に守られる後堅固で、河口デルタ地帯を利用し、城下を囲む総構を有していた。本丸、二の丸、三の丸の曲輪の形状は三角形を呈し、合計22基の櫓と8棟の城門とが築かれたが、天守は建てられなかった。
　現在建っている模擬天守は、昭和39年(1964年)、旧藩主の子孫奥平昌信氏が本丸北東隅に模擬五重天守、その南側に復興二重櫓を建てた。※続100城本より引用

　中津は福沢諭吉の故郷のようで、あちらこちらに先生と書かれたポスターやらが貼られている。時間はあるのでゆっくりスタート。日差しを避けアーケード街を通る。日差しが強く、雨が降った直後なのかやけに蒸し暑い。
　中津のグルメはからあげらしい。アーケードでそれらしき店を探しながら進む。小さな駅であまり色のない街並みである。東北によくありそうな感じ、あまり特徴はない。徒歩15分くらいか、中津川が見えてきて堤防の方に向かう。水不足か川は干上がり気味。そして視線をスライドすると中津城の天守閣が見えた。川からは近い、が、しかしこの近さは岡山城や犬山城もそう。あまり水城という印象は受けない。水不足だからかな。それは天守前の水堀の前に立ってもそう。水がほとんどない。ただ、川ガニなのか道をカニがたくさん歩いているのはいかにも水城っぽいが。
　中津城の天守閣は模擬天守だが黒基調でなかなか格好が良い。官兵衛にはやはり黒が似合うと改めて思う。(岡田君のイメージだが、、)　天守横の石垣は細川期と黒田期で異なる石垣の境目があり、おもしろい。
　さて天守に入る。1階で無事スタンプを押す。中は4階建てくらいだったか、鎧甲冑の展示やビデオなど、あまり目を引くものはなかった。最上階は外に出ることのできる廻縁だが、景色も、それはよいのだが、高松城のようにthe水城という感じを受けるほどのものではなかった。あれ海が少し遠めじゃないかな。当時と地形が若干変化しているのだろうか。しかし何はともあれここは官兵衛が天下を夢見た城。関ヶ原があと少し長引いていたら、官兵衛は消耗した東西の勝者軍に農民兵などを引き連れて攻め上っていたのだ。官兵衛はこの中津の天守から、遅咲きの野心を燃やして大阪方面を眺めていたのだ。攻城３日目でパフォーマンスの落ちた頭を必死で働かせてそんなことを想像しながら、そしてここで攻城は終了。
　その後は福沢諭吉記念館などをちらっと覗き、時間がなくなり中津グルメのからあげを食べ損ない、13時50分に空港アクセスバスで中津発。中津駅前から空港アクセスバスは1550円なのだが、往復切符2600円を2人で使うならそちらが安いと券売所のおばちゃんからアドバイスを受けた。ありがたいことに1300円でいけた。
　15時50分大分空港着。ラーメンを食べ、16時55分大分空港発。18時35分羽田着。大分(＋宮崎)6攻城はこれにて終了。楽しかった。