高取城

Basic information
name高取城
another name芙蓉城 鷹取城
selected100名城 61
location奈良県高市郡高取町高取

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Data




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Record

攻城日時

2020年2月2日

攻城手段

近鉄長野線→バス(奈良交通)→徒歩

攻城記録

 奈良県の100名城、三大山城の一つ、高取城。大和郡山城の支城の一つ。大和郡山城を豊臣秀長(秀吉の弟)が治めていた時代には、重臣の脇坂安治や本多利久らが城主を務めた。日本最大規模の山城で、麓から本丸までの高低差が390mと日本一。備中松山城、岩村城と並び、日本三大山城の一つである。そして、山城にもかかわらず天守や櫓、石垣がある貴重な城。

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 高取城は古くは、1332年(元弘2年)に南朝方の豪族である越智邦澄が、貝吹山城の支城として築いた山城が始まり。簡単な堀と土塁だけの城だったが、豊臣秀長の時代に本多利久らによって近世城郭に大改修。高取城は、1580年(天正8年)に織田信長によって一旦廃城に。信長の死後、筒井順慶により、復興された。筒井順慶→本多利久を経て、1640年(寛永17年)譜代大名の植村家政が入場し、幕末まで続く。明治6年に廃城。

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 さて、高取城。本日3城予定の2城目。9時47分富田林駅発、古市で乗り換え、10時37分壺阪山駅に到着。まずは夢創館へ。夢創館は、大正時代の呉服屋を観光案内所として再利用したもの。ここでまずスタンプを押印し、パンフをもらい予備知識を仕入れ、いざ高取城へ出発。バス移動の予定を変更し、11時10分、夢創館から歩いて高取城へ出発。健脚そうだから大丈夫でしょと、夢創館のおばちゃんは言ってくれたが、高取城跡までは6km、ここから徒歩で1時間30分。そしてその半分は登山道。少し不安。武家屋敷跡や薬屋など昔の街並みが残る通りをまっすぐに進む。

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 寒いが快晴。松の門という高取城にあった移築門や武家屋敷を横目にまっすぐに歩く。歴史的な建造物群が途切れ、周囲がのどかな山村風景になっても、黙々と歩く。100m程度の一定の間隔で上り旗が道案内をしてくれるため迷いようもなく、心強い。上り旗には「最強の城、高取城」と書かれている。最強の山城、高取城。心が躍る。しかし足は心ほどに踊ってはくれない。なにせ本日早朝の千早城で足のガソリンの半分は持っていかれてる。しかし歩く。ひたすら歩いて黒門跡に着く。道に石が混じり始め、ちらほら石垣も出てきた。苔生した古い石垣の上に苔生した木々が根を張り、人が踏み入らない忘れ去られた古代遺跡のような光景。さらにひたすら歩く。猿石、という飛鳥時代のかわいい石物の横を通り、ニノ門に到着。ここまで夢創館からの所要時間、1時間程度。時刻は12時15分。このニノ門から先の道程は、矢場門→国見櫓→松ノ門→宇陀門→千早門→大手門→本丸→天守台。写真を撮りながらゆっくり進んだため、結局は本丸まではさらに50分かかったのだが、普通に歩くだけなら20分程度か。さて、国見櫓から振り返る。国見櫓からの景色は、奈良を一望できる絶景。パノラマの左端に千早城の金剛山、右端に比叡山がある。天気も良く、とても気持ちがいい。国見櫓からは、松ノ門、宇陀門、千早門、大手門と進むのだが、次第に石垣の数が多くなり、その大きさもスケールも大きくなり、ちょっと前に口にしたすげぇ!の言葉を次々と上書きしていく。進めば進むほど感動が増す。高取城は司馬遼太郎曰く、最初にアンコールワットに入った人の恐ろしさを知ったようなそんな空恐ろしさを感じた、という城。文豪の言わんとすることがわかる気がする。100名城だしもちろん他に人も歩いているのだが、なぜだろうこの湧き起こる前人未到感。こんな山奥の、この標高の場所に、連続的に居並ぶ苔生した石垣群には一種の神秘さも漂う。アンコールワットのくだりは現地に足を運んだ人の多くが抱く気持ちではないだろうか。それにしても、この石垣の量、石の数。運んだ人夫の辛さを思う。そして、豊臣家の財力の潤沢さを思う。各門を通り先に進む度に、感動がクレッシェンドの如く高まっていくのだが、トドメは本丸にどどんと佇まう天守台(櫓台?)。もう巨大も巨大。石垣は松江城クラスのサイズはあるだろう。でも松江城は平地にある平山城、高取城は山城中の山城。その見事さは比類ない。本丸曲輪から下を覗き見下ろすと、柵のないビルの屋上の縁に立つようだ。大袈裟ではない。すくむ足が危険信号を発している。足がすくんで写真がうまく撮れない。本丸は整地されているが、他の石垣や門は自然の地形に沿ってうまく築かれたもの。そのため、自然と不整形に配置され、本丸から見下ろすそれらは異国の古代遺跡のような雰囲気を醸し出している。見晴らしは、、というと、本丸からはあまり見通せない。山の三角点なのに、てっぺんになぜここまで巨大で高さのある石垣を築くのかと思ったが、そうしないと遠くを見通せないのだろうと合点がいく。比べて国見櫓の眺望は文句なく、国を見るという言葉がここまで合う櫓はないだろう。さて、そろそろ時間。また2時間歩いて駅まで帰るつもりだったため、13時5分に本丸から下山開始。帰りルートは壺阪寺方面からの下山に決めた。15分ほど早歩きで降りると、駐車場に出る。ちょうど客を乗せてきたタクシーを捕まえることができ、そこから10分で壺阪寺へ。タクシーは乗せてきた客を待つため、壺阪寺までならOKということで、お願いした。険しく細いうねうねカーブの下り坂なのにもかかわらず、タクシー運転手がバス時間を気にしてくれてかなり飛ばす。そのおかげで、当初のプランで予定していた13時30分壺阪寺発のバスに間に合う。バスの前につければバスも動けんやろ、と言ってバスの前に乗り付けてくれたタクシー運転手さん、ありがとう。壺阪寺からバスで壺阪山駅へ。バス内で座った途端に、その暖かさで身体の感覚が戻ってくる。足腰の疲労がどっと押し寄せてくる。やり切った感もあり、かなり満足。高取城は城郭も広く、城下町も見所が多いため、1日いても良いかもしれない。かなり良かったので、姫路城とともにSSS入りさせるかどうか、検討中。写真ではその良さを持ち帰ることが難しく、検討は早めにしなければと思う。(結局、SSS入り。)

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today's ramen

『お食事処 双葉』 (壺阪山駅前) にゅうめん定食 950円



impressions

 壺阪山駅周辺には店の選択肢がほぼない。喫茶店のような佇まいの、駅前の双葉に入る。早朝にパンを食べたのみで、高取城の攻城中も腹が鳴っていた。早く食べたい。にゅうめん定食950円を食す。
 にゅうめんの汁が体に染み渡る。にゅうめんとは三輪素麺(みわ)を使った温かいそうめんのことらしい。具はたまごやき、油揚げ、鶏肉、山菜、椎茸、にんじんなど入っており、油揚げの出汁が出ているのか、つゆが優しく甘い。定食なのでごはんもついており山菜やたくわんと一緒に食べる。うまい。食後はコーヒーも注文。ごちそうさま。



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